理事長 外山史晃
季節の変化を感じることが少ないカリフォルニアにおいて「補習校の入学式・始業式」というのはこれ自体が春を強く連想させるイベントでありますが、今春は3年ぶりに対面授業での年度スタートとなり、この学校を構成する全ての方におかれまして例年以上に高揚した気持ちで新年度を迎えられていることでしょう。
本校の半世紀以上の歴史においてもこれだけ学習環境が一変した時期は無く、こうして4校全て対面授業を再開できたのは開校に匹敵する大きなマイルストーンだと思います。パンデミックにより突如始まった休校とそこから2年弱にわたるオンライン授業を支えていただいた教職員、及びITボランティアへの感謝はもちろん、各家庭において(カメラに入らない位置で!)お子さまの横に立って授業の円滑な進行に常に注意を払っていただいた全ての保護者の方にお礼を申し上げます。
パンデミックが始まってからの2年間は何においても想像を超えたアップダウンが続き、私は「人間万事塞翁が馬」という言葉を自らに向かって唱え続けておりましたが、本校に関する主な変化としては以下のような点が挙げられます。
- 借用校が使えない時のオンラインでの授業やイベント開催のノウハウを手に入れた。
- 宿題提出や学校との連絡においてITを活用しての効率化が一気に進んだ。
- 大きく環境が変わったことで、「ゼロベースで何かやる」という気持ちが各所で芽生えた。
- なかなか直接会えず、子供たちの間のつながりが以前より弱くなっている。
- オンライン環境しか知らない家庭も増え、「保護者参加型の学校」という本校の基本理念の再構築が必要な状況になっている。
- 理由は様々であるが、結果として生徒、教員共に大きく減少した。
ただ、上記の塞翁が馬の故事がそうであったように、全ては最良の結果を得るための通過点に過ぎなかったと最後に感じることが重要であり、これから全保護者、教職員からの声を聞き、新しい時代のサンフランシスコ日本語補習校を作るきっかけとなる一年としたいです。
『日本語で学び考え、国際社会に貢献する、生きる力の育成』という本校の教育目標を実現し、更に進化させるため、引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます!