学校長 水谷 靖

 こんにちは、この4月に着任いたしました学校長の水谷靖です。つい先日、ゴールデンゲートブリッジに行ってきました。そこはいつか訪れてみたいと50年も前から思っていた場所です。それがついに実現。当時その写真を見たときは、壮大さに驚きを感じましたが、実際に訪れてみると、自然の広大さが感じられる場所でした。写真ではゴールデンゲートブリッジが主役でしたが、実際に訪れると主役は自然だと思いました。ブリッジの端から中央へと海上を進んでいくと、カリフォルニアの強い風の音を聞くことができました。立ち止まって上空や周囲を眺めると、鳥が風を受けて大空高く飛んでいき、その先には真っ青な空、そして空気の冷たさや潮の香りなど、五感を通して自然への愛情や畏怖などが感じられたからです。とても素敵な場所に来させていただいたと実感しました。

 さて、私たちサンフランシスコ日本語補習校はこの4月から全校で対面授業を開始いたしました。これまでのオンラインでの授業とは異なり、身近に先生がいて優しく温かく包んでくれたり、お友だちの笑顔に心が和んだり、そしてお家の方への感謝の気持ちが湧いたりしているのではないかと思っています。まさに五感を通して、知性と感性を高められる学習活動ができるようになりました。これもひとえに理事会の皆様のご協力、保護者の皆様のご理解、そして教職員の力の結集のおかげと心から感謝申し上げます。

 今年度のスタートにあたり、重点目標を『日本語で学ぶ楽しさを感じる授業』といたしました。「楽しさを感じる」とは、主役の子供たちが五感を通して、「おもしろそうだ」と興味関心をもち、「私にもできそうだ」と学びへの期待感、「できたから、もっとやりたい」と学ぶことへの必要感を実感し、「できるようになった」「わかった、おもしろい!」と達成感を味わい、そこにお友達や先生から「よくがんばったね」「できるようになったね」と声を掛けられたり励まされたりして、「学校に来てよかった」という満足感を味わう、このような感情の移り変わりを大切にしていくことです。この重点目標の達成に向け、子供たちには、見通しをもって粘り強く取り組む力、周りの人たちと共に考え、学び、新しい発見や豊かな発想を生む力、自分のよさや可能性をもとに次の学びや生活に生かす力を育むことができると考えています。

 新しい学習指導要領は、グローバル化や情報化などによる社会の変化が激しくなる中で、子供たちには、変化を前向きに受け止め、社会や人生を、人間ならではの感性を働かせてより豊かなものにしていくことを期待し、「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力、人間性など」の「資質・能力」を総合的にバランスよく育んでいくことを目指しています。この目指す方向に本校が設定した重点目標は一致していると考えています。

 本校で学ぶ子供たちが、自分のよさや可能性を認識するとともに、持続可能な国際社会の担い手として、人種や文化を越え、それぞれのよさを尊重し協働しながら問題解決に取り組む「生きる力」を身に付け、「いつか世界の架け橋に」なることを私たちは心から願っています。この地に来させていただき、子供たちの将来を思うと、ゴールデンゲートブリッジが「いつか世界の架け橋に」の象徴になっているのではないかと思えてなりません。