学校長 土屋和也

アリゾナ州・グランドキャニオンの脅威の景観は、主にコロラド川の浸食により600万年の時間をかけて形成されたと考えられています。平均の谷の深さは1200mあり、東にロッキー山脈、西にシエラネバダ山脈の激しい地殻変動に挟まれながらも、コロラド高原が穏やかに隆起してきたことで、水平に堆積された美しい地層が奇跡の絶景を生み出しました。

現在、日本の学校教育は穏やかには見えますが、大きな変革の時期を向かえています。社会の変化に対応し生き抜くために必要な資質・能力を備えた子どもたちを育むことを目指し、学習指導要領の改訂が行われました。その中で学力の3要素「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」に着目して授業改善が行われています。私たち補習校の学習でも、この3つの観点で授業をすすめ、将来役に立ち、日本人のアイデンティティを理解し「いつか世界の懸け橋に」なることを願っています。しかし、昨年から長く続いたコロナ禍での生活は、「将来役に立つから、しっかり勉強しようね」では、心の折り合いがつかなくなっているのではないでしょうか。標高2000mのグランドキャニオンを目の前にした時の、その奥行きの深さや広大な横の広がり、谷の深さというダイナミックな3Dの視覚的な面白さや、風の音や冷たさ、匂いはオンラインでは感じることができないものだと思います。今年度の授業のスタートはオンラインにて実施しますが、子どもたちにとって、一つでも多く学びの実感がもてる授業をつくっていきたいと考えています。

本校の今年度の重点目標は「日本語で学ぶ楽しさを感じる授業」です。

今を生きる子どもたちが、ワクワク・ドキドキする瞬間や経験を味わい、輝いて生きていることを実感する補習校を目指したいと思います。